化粧品製品が中国台湾市場に進出する際、企業が注意すべきコンプライアンス要点とは?
2025-06-20

2024年7月1日より、中国台湾地区では特定用途化粧品に関する一連の規定が廃止され、特定用途化粧品/医薬含有化粧品の概念は徐々に中国台湾の化粧品市場から姿を消していきます。今後、化粧品の管理は分類制度を撤廃し、統一的に届出制度に基づいて行われます。

現行規定の下、化粧品が中国台湾市場に進出するにあたり、どのようなコンプライアンス要点に注意すべきでしょうか?REACH24Hが整理いたしましたので、ぜひご覧ください:

化粧品の定義

中国台湾地区において、化粧品とは人体の外部、歯、口腔粘膜に施され、髪や肌を潤す、香りを与える、体臭を改善する、容貌を整える、または身体を清潔にすることを目的とした製剤を指します。

また、以下の2点に注意する必要があります:

歯のホワイトニング製品、非医薬の歯磨き粉およびマウスウォッシュなどの製品も化粧品の監督対象となります。

中国台湾地区の他の規定により医薬品とされるものは、化粧品には該当しません。

監督機関

中国台湾地区の化粧品監督機関は、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)であり、同署の下に医療機器及び化粧品部門(6科が担当)を含む15の組、室、区の管理センターが所管しています。

image.pngTFDA公式サイト

上市前のコンプライアンス要件

中国台湾地区の「化粧品衛生安全管理法」に基づき、公布された化粧品の種類および一定規模の化粧品製造・輸入業者は、化粧品の供給、販売、贈与、公の場での展示または試用の前に、製品の届出および製品情報ファイル(PIF)の作成を完了しなければなりません。変更がある場合には、速やかに届出情報およびPIFを更新する必要があります。

1. 製品届出

❖ 製品届出情の概要

  • 届出サイト:https://cos.fda.gov.tw/TCAL/

  • 届出フロー:アカウント開設→製品届出→届出手数料の支払い→届出完了(終了処理)

  • 届出の有効期間:3年間

  • 届出が必要な化粧品の種類:すべての化粧品*

*免除場合:工場登録が免除されている製造所で生産された手作り固形石鹸

❖ 製品届出に必要な資

番号

届出資料

1

製品届出番号(唯一の識別コード)

2

製品の中国語名称、英語名称

3

製品の種類と用途

4

製品のタイプ

5

製品の剤型

6

使用上の注意事項

7

製造業者または輸入業者の名称・住所・電話番号

8

製造所の名称・住所・所在国および化粧品の製造管理および品質管理の基準

9

全成分名称。中国台湾地区で使用量が制限される成分については、重量または容量のパ一センテ一ジで記載する必要があります。

2.製品情報ファイル(PIF)

❖ PIF情報の

  • PIFとは、化粧品の品質、安全性および機能に関する資料ファイルです。

  • 保存形式:紙媒体または電子形式、内容変更時は随時更新可

  • 保存期間:製品の最終上市日の翌日から起算して最低5年間

  • 保存場所:化粧品包装に表示された製造業者または輸入業者の住所

❖ PIFに含まれる主要資

番号

資料項目

内容説明

1

製品基本情報

製品名、カテゴリー、剤型、用途、製造工場名・住所、製造または入業者情報(各段階の企業情報を含む)

2

製品届出の証明資料

届出の終了処理資料

3

全成分名および含有量

各成分の名称および含有量

4

製品ラベル、添付文書、包装および容器

内外装の写真または画像、ラベル、説明書

5

適正製造規範証明書または宣誓書

主管機関または認証機関による証明書、または適正製造規範を示す宣誓書

6

製造方法および工程

製品の製造方法、工程

7

使用方法、部位、用量、頻度、对象 者

使用方法、部位、用量、頻度、使用対象者など

8

製品使用による有害反応資料

通常または合理的な使用方法における人体への悪影響のデータまたは報告

9

各成分および製品の物理化学特性

外観、色、粘度、pH値などの物理的・化学的特性

10

成分の毒性データ

各成分の急性毒性、皮・眼刺激性、アレルギー性、变異原性等のデータ

11

製品の安定性試験報告書

安定性試験のデータと方法の提供

12

微生物検查報告書

原料および製品の微生物基準、検査基準および結果試験方法および検査報告書

13

防腐効果試験報告書

関連する試験報告書の提供

14

機評価に関する補足資料

包装材および容量に関する資料の提供、その相容性および安定性への考慮

15

包装材料の資料

包装材および容量に関する資料の提供、その相容性および安定性への考慮

16

製品の安全性資料

資格を持つ安全性資料署名者が、各成分、化学構造、暴露量、成分相互作用および毒性学研究データ等を総合的に考慮し、製品の安全性を評価して結論を提示します。安全性資料署名者は、安全性報告書に署名し、署名日を記載する必要があります。

❖ PIFの移行期

新規の実施に伴い、中国台湾地区では製品別の移行期間が設定されています:

実施日

化粧品の種類

2024年7月1日施行

日焼け止め剤、ヘアダイ剤、パーマ剤、制汗・消臭剤、歯のホワイトニング剤(歯磨き粉)およびその他の規制成分を含む化粧品。または、公告成分附表に掲載されていないが、EU、米国、日本の3つの国・地域で使用規定が公告されている成分を含み、日焼け止め、ヘアダイ、パーマ、制汗・消臭、または過酸化物を含む家庭用歯のホワイトニング用途の化粧品。

2025年7月1日施行

ベビー用、リップ用、アイ用、および医薬品でない歯磨き粉・うがい薬を含む一般化粧品。

2026年7月1日施行

上記に該当しない化粧品および工場登録が免除されている製造所で生産された手作り固形石鹸

3. 動物試

化粧品企業が化粧品またはその成分の安全性評価を行う際、以下のいずれかに該当し、かつ主管機関の許可を得ない限り、動物を試験対象にしてはなりません:

  • 当該成分が広く使用され、他の成分で代替できない場合

  • 評価データから人体に害する可能性があると認められる場合

*化粧品の製造・輸入・販売企業が動物試験を行う必要がある場合は、申請書および関連資料を主管機関に提出し、許可を得る必要があります。

*上記動物試験に関する規定は2019年11月9日より実施されており、中国台湾地区内において化粧品またはその成分の安全性評価を目的とした動物試験を禁止しています。

REACH24Hは長年にわたって化粧品分野に深く取り組んで、中国台湾地区の豊富な経験を持つコンプライアンスチームを擁しています。中国台湾地区の化粧品法規体系に精通し、政府機関との良好な連携を持っています。また、資格を有する安全性評価専門家およびコンサルタントが在籍しており、企業に対して迅速かつ正確なコンプライアンスサービスを提供いたします。

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