2022年1月から7月にかけて、上海税関は合計53,000件の輸入危険品を監督管理し、検査逃れや虚偽申告等での107件の引渡しを立件し、違法に輸出入された危険化学品を3,025トン押収しました。そして、今年7月末までに、上海税関はリスク分析の結果に基づき、706件の検査を実施し、仮装・隠ぺいによる128件の申告の対象となる輸出入の危険品を押収したうえで、18.1%の押収率を達成しました。
上海港は、中国最大の危険品の輸出入量を誇るコンテナ港として全国の輸出入総量の約50%を占めていると同時に、国内最大の海上運送での危険化学品の集散倉庫を持っています。現在のところ、既に6,600社以上の各種事業者は上海港で危険化学品の輸入申告を行い、そのうち約8割の受取事業者が長江デルタ地域に位置しています。そのため、上海税関は危険化学品の総合管理を港の安全生産・安全発展に関する重要な手がかりとした上で、次の行動を行いました。
- ビッグデータの利活用を中心に
上海税関リスク・コントロール局分析課課長の王智氏によると、化学工業製品の複雑性と専門性に鑑み、上海税関は国境を越えた取引関連ビッグデータ・プラットフォームの役割を十分に発揮させ、危険化学品の申告・貯蔵・運送などの過程に対するリスク分析実施するとともに、リスクの知能化制御モデル及び輸出入易制毒(麻薬類)化学品・危険化学品の分類と自動制御モデルを構築しました。
- 部門間連携の知能化監督管理体制を構築
危険化学品の申告漏れ、虚偽申告の取り締まりを強化するため、上海税関は積極的に上海海事局等と連携し、危険化学品の監督管理を推進する他、国境を越えた取引関連ビッグデータ・プラットフォームを介する「データ共有・モデルの共同構築・結果共有」の実現を模索し、ビッグデータの交差検証を通じて申告漏れ・虚偽申告を発見すると王氏が指摘しました。現時点では、共同で構築された「危険化学品申告の仮装・隠ぺいによるリスクの予防・制御モデル」等の2つのモデルが運用されています。
- 長江デルタ税関との連携を強化
長江デルタ地域にある多くの企業は上海港を通じて危険化学品を輸出入します。そのため、上海税関は江蘇省の南京税関・浙江省杭州税関・安徽省の合肥税関などの属地関税と連携して、危険化学品申告の仮装・隠ぺいによるリスクの調査を推進することに向けて、外地企業への調査・証拠収集が困難であることやその他の問題を解決するように取り組んでいます。
上海税関リスク・コントロール局局長の沈莺氏の話によれば、今後、上海税関は国境を越えた取引関連ビッグデータ・プラットフォームに依存し、危険化学品の申告漏れ・虚偽申告などの取り締まりを引続き強化し、予防的リスク管理能力をさらに向上させる予定です。