EURASIA REACHが本格始動!2030年までの正式施行に期待
2025-08-08

最近、ユーラシア経済連合(Eurasian Economic Union, EAEU)は、化学品安全規制の分野で大きな進展がありました。2025年8月1日、EAEU理事会は、「化学品の安全性について(TR EAEU 041/2017)」の第2段階の重要文書を正式に承認することで、当該規制の全面的な施行に基礎を築きました。

法規背景

「化学品の安全性について」(TR EAEU 041/2017)は、「ユーラシア経済連合版REACH」とも呼ばれ、EAEU(加盟国:アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア)における中核的な化学品管理規制です。この規制は、2017年3月3日にユーラシア経済委員会(EEC)によって採択され、EAEU関税域内で流通する化学製品に対して統一された強制的な安全要求事項を確立することを目指しています。

TR EAEU 041/2017は2021年6月1日に発効する予定でした。しかし、ユーラシア経済委員会理事会の決定第19号によれば、発効の前提として、EAEU理事会が第2段階の重要文書を承認する必要がありました。この第2段階の重要文書に関して加盟国の間で意見の相違があったため、規制の明確な発効日はこれまで定められていませんでした。今回の第2段階の重要文書の承認は、規制施行への障害が取り除かれ、正式な発効への道が開かれたことを意味します。

第2段階の重要文書および施行時期

今回承認された第2段階の重要文書の主な内容は、化学物質および混合物の登録簿の作成および維持手続き(FVR手続きという。)と新規化学物質の届出手続きです。

FVR手続きの施行時期

FVR手続きの具体的な施行時期は、以下の2つの重要な要素に左右されます。

  • デジタルシステムの構築: EAEU化学品登録簿の作成と維持は、統合情報システムに依存します。公式な見通しでは、このシステムの開発は今後3年以内に完了する予定です。

  • TR EAEU 041/2017の改正決定: ユーラシア経済委員会は、現行版のTR EAEU 041/2017の改正について議論しています。FVR手続きは、理事会による改正案の決定と同時に発効します。

つまり、FVR手続きの発効は現在から最長で3年以内となります。しかし、この期限内にEAEU加盟国が改正後のTR EAEU 041/2017に適合することが前提です。

新規化学物質の届出手続きの施行時期

新規化学物質の届出手続きは、TR EAEU 041/2017規制自体の発効時期と密接に関連しており、FVR手続きの発効から2年後に開始されると予想されています。すなわち、現在から最長で5年以内に発効します。

以下に、EURASIA REACHの施行スケジュールを示します。


流程.png

主要な概念の解説

  • FVR手続き(化学物質および混合物登録簿の作成と維持手続き): これはTR EAEU 041/2017の発効における最も重要なステップの一つです。EAEU加盟国で流通している、または将来流通する予定の化学物質および混合物に対して、統一された登録簿を作成することを目的としています。企業は、化学物質または混合物の情報を提出してこの登録簿に掲載することができ、掲載された物質は「既存物質」と見なされます。

  • 新規化学物質届出手続き: TR EAEU 041/2017の発効後、化学品登録簿に掲載されていない物質は「新規化学物質」と認定されます。企業がこれらの新規化学物質を市場に投入するためには、届出手続きに従って申請を行う必要があります。届出手続きのデータ要件は、EU REACH規則の登録要件と同様で、化学品安全報告書(CSR)および物質の物理化学的性質、毒性学、環境ハザードなどのデータを提供する必要があります。しかし、企業がTR EAEU 041/2017の発効前にその製品がEAEU市場で流通していたことを証明できれば、発効後2年以内に化学物質情報を提出して登録簿に掲載することで、届出手続きの要件が免除されます。


REACH24Hは、関連企業に対し、EURASIA REACH規制の最新動向を注視し、事前に化学品情報を整理し、FVR登録および新規物質届出戦略を計画し、コンプライアンスを確保するよう推奨します。

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム