上海市が危険化学品安全管理弁法を改正
2023-07-21

 最近、上海市政府は改正「上海市危険化学品安全管理弁法」(以下、「改正弁法」という)に関する公告を発表しました。今回の改正は2023年6月12日に採択され、同年6月15日に発効しました。

改正の背景

 同弁法について、前回の改正は2016年9月に公布され、2017年1月1日に施行されました。それ以来、経済社会の発展に伴う新たな状況や問題により、危険化学品の適切な管理の改善を促進するための新たな要求が提出されてきました。

 こういう背景に、国レベルの関連法規の新しい規定に加え、2018年に行われた機構改革による中国行政機関の名称・機能と整合させるため、上海市政府はこの弁法に対して相応の調整を行ったということです。

(上の図は上海市政府の公式サイトに掲示されている公告のスクリーンショットです。)

主な改正内容

1.危険化学品輸送の禁止について

  • 夏場の道路運送禁止の条項(旧弁法第41条第1項と第3項)を削除

 毎年6月15日から10月15日までの間、午前10時から午後4時まで可燃性・爆発性物質の道路輸送禁止ルールが廃止されます。

注:上記の禁止条項について、上海市は2006年に導入しましたが、長江デルタ地域に位置する他の3省(江蘇省・浙江省・安徽省)は導入していない状態です。従って、輸送禁止期間内に省間の検問所での危険化学品輸送車両の滞留が発生する可能です。この状況を回避するため、上海市はこれら3省における危険化学品の輸送禁止・制限区域及び期間と一致させ、旧弁法の禁止条項を改正する必要があります。

  • 水上輸送の禁止区域に関する規定を改正(第45条第1項)

 2021年3月に発効した「中国長江保護法」に基づき、長江流域を通じて、劇毒化学品やその他の内陸水路輸送が禁止されている危険化学品を輸送することは禁止されます。これをうけ、今回の改正は黄浦江だけでなく、長江上海流域も禁止区域として規定しています。

2.危険化学品の情報共有について

  • 全プロセスにおける危険化学品の監督管理情報共有に関する規定を改正(第54条)

 2021年に改正された「上海市安全生産条例」に基づき、旧弁法に定める危険化学品監督管理情報の交流プラットフォームに代わって、上海市の全プロセスにおける危険化学品監督管理システムは構築されました。改正弁法の第54条により、上海市関係当局はこのシステムを通じて、日常的な監督管理で得られる危険化学品の生産・取扱・保管・使用・輸送・廃棄に関する情報を入力・共有することが求められます。

3.安全生産賠償責任保険について

  • 安全生産に関する規定を改正(第71条)

 2021年に改正された「中華人民共和国安全生産法」及び「上海市安全生産条例」により、改正弁法第71条は危険化学品の取扱企業に対し、国の関連規定及び上海市の地方規定に基づき、保険金の代わりに安全生産賠償責任保険に加入することを求めます。

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