2023年４月19日に、中国国家食品安全リスク評価センターは「GB 4806.1-2016食品接触材料及び製品通用安全要求（改正草案）」（以下、「草案」と略称）の全文を発表し、社会から本草案に関するコメントを募集しています。この法規は中国食品接触材料において基礎的な役割を果たし、すべての食品接触材料及び製品に適用されます。
現行の「GB 4806.1-2016」は2016年に発表され、2017年10月に正式に導入されました。「草案」は現行における定義、基本要件、コンプライアンス原則、製品情報などに対して修正を提出しました。詳細は以下の通りです。
一：定義
有効バリア層
「草案」では、有効バリア層の定義が次のように改訂されました。
食品接触材料及び製品中の1層又は複数層の材料で構成されるバリアです。このバリアはその外側（非食品接触側）の特定物質の移動を阻止し、食品接触材料及び製品が相応の安全要求に適合することができます。
また、現行に有効バリア層の「食品に移行する未承認物質の量が0.01 mg0.01 mg/kgを超えないこと」が定義から削除され、コンプライアンス原則部分に移しました。
完全バリア層
「草案」では、新たに完全バリア層の定義が追加されました。完全バリア層とは、食品接触材料及び製品の外に1つまたは複数の材料で構成されるバリアです。このバリアはその外側（非食品接触側）のすべての物質の移動を阻止し、外側のすべての物質が食品または食品模擬物に移動しないことを保障することができます。
二：基本要件
追加された絶対バリア層の新要件：完全バリア層外側の材料及び製品は食品接触材料及び製品に属さないことを明確にし、食品接触材料及び製品生産企業は絶対バリア層の使用期限内の有効性を保証しなければなりません。
三：コンプライアンス原則
「草案」は現行における制限量要求とコンプライアンス原則の内容を統合し、さらに原料要求と制限量要求の2つの部分に分けました。
（１）原料要求（新規）
中国で使用許可食品原料は食品接触材料及び製品の生産にも使用でき、関連原料は相応の食品安全国家基準及び（又は）関連公告の規定に適合しなければなりません。
中国で使用許可プラスチック、ゴム、シリコンゴム、塗料、接着剤、インクなどのポリマー高分子材料は化学反応を起こさずに混合して使用することができます。
対応する食品安全国家基準及び公告に含まれていない物質は、有効バリア層外側の食品接触材料及び製品の生産に使用できます。食品接触材料及び製品生産企業は当該物質に対して安全性評価と管理を行い、その特定移動量が0.01 mg/kgを超えないようにし、最終製品が「草案」3.1と3.2条項の規定に適合しなければなりません。また、発癌性、催奇形性、変異原物質及びナノ材料は、上記の原則には適用されません。
（２）制限量要求
「草案」によって、特定物質のコンプライアンス要件を新たに明確にすると同時に、複合材料及び製品の最大使用量、最大残留量、残留物指標及び移転限度の要求を新たに改訂しました。
SML（又はSML（T））とQMを同時に規定した同一（グループ）物質について、当該（グループ）物質に相応の移動量検査方法がある場合、SML（又はSML（T））の規定に適合しなければなりません。また、移動量検査方法がない場合は、QMまたは残留量スクリーニングを使用して移動量のコンプライアンスを検証することができます。すなわち、特定の移動制限量SMLと最大残留量QMを設定した物質については、実際の状況に応じてSMLとQM制限要求の中から1つを選択してコンプライアンス検査を行うことができます。比較すると、SMLの優先度はより高いです。
複合材料及び製品、組み合う材料及び製品、コーティング製品及び「草案」4.1.3による材料はそれぞれ相応の食品安全国家基準の規定に適合しなければなりません。各種類の材質材料に対応する食品安全国家基準及び関連公告に規定された最大使用量、最大残留量及び残留物指標は当該種類の材質材料にのみ適用されます。各種類の材料に同じ項目の移転制限がある場合、食品接触材料及び製品全体は当該項目の最小制限値に適合しなければなりません。異なる材料に同じ項目の移転制限要件がある特殊な場合を除き、他の場合は異なる材料に対して、それぞれ対応する基準と公告中の指標要件を満たす必要があります。
四：製品情報
現行に基づいて、「草案」の食品接触材料及び製品の製品情報がラベルと適合性声明の二つの部分に改訂されました。 食品接触材料及び製品の安全性評価及び使用に関する十分な情報を保証するために、製品情報が真実で正確で十分であることが要求されます。
ラベル：
一般的な要求と具体的な内容について詳細に規定し、関連メーカーに明確な指導を提供することができます。
適合性声明：
生産者と販売者が適合性声明（直接消費者に提供する製品を除く）を提供すべきことを明確に要求します。その中には製品名、材質、食品安全国家標準コードと順序番号、制限性要求がある原料物質リストとその制限性要求などが含まれるべきです。
製品原料、成分、製造プロセスなど製品の安全性に影響を与える可能性のある要素が変化した場合、食品接触材料及び製品メーカーは直ちに適合性声明を更新しなければなりません。