中国 優先評価化学物質選別技術ガイドラインを正式に公布
2022-01-05

 前回の意見募集案を発表し、寄せられた意見を考慮した上で、2021年12月22日、中国生態環境部(MEE)が国家生態環境標準「優先評価化学物質選別技術ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)を公表し、2022年1月1日から本格施行することになりました。

 本ガイドラインの主な内容としては、優先評価化学物質をスクリーニングする際に、関連原則、手続き、技術要件、レポートの編成となっています。2021年4月29日の意見募集案と比べ、若干の変更は以下となります。

変更箇所 意見募集案 本ガイドライン
1.用語と定義 化学物質
  • 商業目的のために自然から採取されたり、加工によって製造されたりする単体と化合物;
  • 混合物(互いに反応しない2種類又はそれ以上の化学物質が混じり合ってできたもの)。
商業目的のために自然から採取されたり、加工によって製造されたりする単体と化合物。
優先評価化学物質

下記の条件を同時に満足するものを指します。

  • 危険性も環境曝露の可能性も高い;
  • 環境リスク評価を通じて優先管理を指定すべきかどうかを判断する必要がある。    下記の条件を同時に満足するものを指します。

下記の条件を同時に満足するものを指します。

  • 潜在的な環境リスクを持っている;
  • 環境リスク評価を通じて優先管理を指定すべきかどうかを判断する必要がある。
2.レポートの編成 /

化学物質を絞り込んで優先評価化学物質に指定する「スクリーニング評価」のプロセス及び結果については、報告書にまとめる必要がある。また、この報告書には、少なくとも次の内容を含むものとする。

  • スクリーニングの目標;
  • *スクリーニングの対象物質;
  • データの内容及びソース;
  • データ評価の根拠;
  • データを選択する方法;
  • スクリーニングの条件;
  • スクリーニング結果の説明等。

*スクリーニングの対象物質は、以下となります。

  1. 「持続性、生物内蓄積性と毒性物質、および高持続性と高生物内蓄積性物質の判定方法(GB/T 24782-2009)」に基づき、持続性、生物内の蓄積性および毒性物質(PBT)、或いは高持続性および高生体内蓄積性物質(vPvB)に該当するもの;
  2. 「化学品分類及びラベル規範-第23部分:発がん性(GB 30000.23-2013)」「化学品分類及びラベル規範-第22部分:生殖細胞変異原性(GB 30000.22-2013)」、及び「化学品分類及びラベル規範-第24部分:生殖毒性(GB 30000.24-2013)」に基づき、発がん性、変異原性または生殖毒性(CMR)区分1A又は 1Bに属するもの;
  3. 持続性と毒性、或いは生物内の蓄積性と毒性を持っているもの(生物内の蓄積性の場合は、「GB/T 24782-2009」の規定を満たす一方、毒性の場合は、「GB 30000.23-2013」、「GB 30000.22-2013」、「GB 30000.24-2013」、「化学品分類及びラベル規範-第26部分:特定標的臓器毒性(反復ばく露)(GB 30000.26-2013)」及び「化学品分類及びラベル規範-第28部分:水生環境有害性(GB 30000.28-2013)」に基づき、発がん性、変異原性、生殖毒性、特定標的臓器毒性(反復暴露)または水生環境有害性(長期間)区分2以上に焦点を当てる);
  4. その他の危険有害性が高い物質(例えば、内分泌かく乱物質、PBT/vPvB物質と懸念されるもの、発がん性・変異原性・生殖毒性の懸念が高い物質、水生環境有害性(長期間)または特定標的臓器毒性(反復暴露)区分1に属する物質等);
  5. 環境媒体あるいは生物内で検出され、かつ環境暴露によって発生する物質;
  6. 潜在的な暴露可能性がある物質(例えば、年間生産・消費量が多く、広い範囲で使用されるもの、或いは公衆の日常生活において使用されるもの等)。
規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム