前回の意見募集案を発表し、寄せられた意見を考慮した上で、2021年12月22日、中国生態環境部(MEE)が国家生態環境標準「優先評価化学物質選別技術ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)を公表し、2022年1月1日から本格施行することになりました。
本ガイドラインの主な内容としては、優先評価化学物質をスクリーニングする際に、関連原則、手続き、技術要件、レポートの編成となっています。2021年4月29日の意見募集案と比べ、若干の変更は以下となります。
変更箇所 | 意見募集案 | 本ガイドライン | |
1.用語と定義 | 化学物質 |
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商業目的のために自然から採取されたり、加工によって製造されたりする単体と化合物。 |
優先評価化学物質 |
下記の条件を同時に満足するものを指します。
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下記の条件を同時に満足するものを指します。
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2.レポートの編成 | / |
化学物質を絞り込んで優先評価化学物質に指定する「スクリーニング評価」のプロセス及び結果については、報告書にまとめる必要がある。また、この報告書には、少なくとも次の内容を含むものとする。
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*スクリーニングの対象物質は、以下となります。
- 「持続性、生物内蓄積性と毒性物質、および高持続性と高生物内蓄積性物質の判定方法(GB/T 24782-2009)」に基づき、持続性、生物内の蓄積性および毒性物質(PBT)、或いは高持続性および高生体内蓄積性物質(vPvB)に該当するもの;
- 「化学品分類及びラベル規範-第23部分:発がん性(GB 30000.23-2013)」、「化学品分類及びラベル規範-第22部分:生殖細胞変異原性(GB 30000.22-2013)」、及び「化学品分類及びラベル規範-第24部分:生殖毒性(GB 30000.24-2013)」に基づき、発がん性、変異原性または生殖毒性(CMR)区分1A又は 1Bに属するもの;
- 持続性と毒性、或いは生物内の蓄積性と毒性を持っているもの(生物内の蓄積性の場合は、「GB/T 24782-2009」の規定を満たす一方、毒性の場合は、「GB 30000.23-2013」、「GB 30000.22-2013」、「GB 30000.24-2013」、「化学品分類及びラベル規範-第26部分:特定標的臓器毒性(反復ばく露)(GB 30000.26-2013)」及び「化学品分類及びラベル規範-第28部分:水生環境有害性(GB 30000.28-2013)」に基づき、発がん性、変異原性、生殖毒性、特定標的臓器毒性(反復暴露)または水生環境有害性(長期間)区分2以上に焦点を当てる);
- その他の危険有害性が高い物質(例えば、内分泌かく乱物質、PBT/vPvB物質と懸念されるもの、発がん性・変異原性・生殖毒性の懸念が高い物質、水生環境有害性(長期間)または特定標的臓器毒性(反復暴露)区分1に属する物質等);
- 環境媒体あるいは生物内で検出され、かつ環境暴露によって発生する物質;
- 潜在的な暴露可能性がある物質(例えば、年間生産・消費量が多く、広い範囲で使用されるもの、或いは公衆の日常生活において使用されるもの等)。