中国における新規農薬の登録・中国進出&商品ローンチに関する考え方と実務要件(下)
2024-08-06

中国における農薬(原体・製剤)の新規登録が、難易度の高い課題です。編集側は前号にて、中国農薬の規制と政策の要点を取りまとめ、皆様は理解しやすいように記事を作成しました。今号において具体的な新規農薬の登録方法について説明を続けます!

新規農薬登録前の計画、設立、プロジェクト実施の重要性

中国の農薬登録は3つの段階に分かれており、最初のプロジェクトの確立前に、製品の選択と製品の市場分析、プロジェクトの計画、登録リスク評価と登録コンプライアンス分析、およびプロジェクトの評価を含むプロジェクトの計画であり、プロジェクト全体の成功のこの段階では、プロジェクト全体の50%を占めるべきである非常に重要な役割を果たしている。第二段階は登録の実施を開始し、主にテストサンプルの準備、テストの手配と実施、追跡、監督、試験レポートの取得、試験がこの段階で時間通りに完了することができるかどうか、テスト結果が登録要件を満たしているかどうか、この段階では、プロジェクト全体の25%を占める必要があります。第三段階は、登録資料と最終試験レポートの照合・調整になります。完成した試験レポートをガイドライン・法規制要件・ICAMA(農業農村部)の評価基準などと照らし合わせし、関連情報をきちんと修正・審査・取り纏めをしたうえで最終登録用資料パッケージとして仕上げるステップになります。このステップにおいて該当農薬の薬効・環境へのリスクなどを科学的かつ合理的な説明を行えるかどうか、規制当局による審査意見が出るかどうかの大事な事前検証・事前準備の段階になります。登録データの正確性・完成度・完全性・科学的登録の最終的な結果に影響審査意見につながりますので、この最終段階でもプロジェクト全体の25%の高いウェイトとして考慮必要であり、一番技術的なフォローアップの要する段階でもあります。

(Ⅰ)中国新規農薬の事前計画における重要なポイント

1、製品(登録対象農薬)の選択と市場分析

御社の基幹・コアな製品をターゲットにしながら、市場における熱量の高い製品を選択するのがコツです。御社の該当製品は、中日農薬流通のサプライチェーンとマッチング状況や他社競合品の市場動向を調べ、御社の長所と短所を分析し上で御社その他商品の発売予定やシナジー効果の有無を考慮するのも有効であります。製品特性・市場の競合製品の状況を検討される場合は、中国だけではなく世界農薬市場の分析も加えて、製品の市場分析とセールスポイントの洗いだしが必要だと考えます。農薬登録を行う対象国、対象作物、予防とコントロール対象害虫(害であるし植物病変など)・ターゲット層(農業地区や農業者の細分)の特定も必要です。まとめますと市場分析では、製品特性、競合製品、中国・世界市場をもとに、製品のセールスポイント、登録対象国、作物、主な防除対象、発売後の販売・市場ポテンシャルを把握し、製品市場分析レポートの作成を必要だと考えております。

(1) 製品の特性は、すなわち殺虫(または殺菌・殺カビ)薬効および殺虫(または殺菌・カビ防止)スペクトラム、作用機序、作物の安全性などの製品特性を指します。

(2) 製品のポジショニングは、該当製品の市場トレンドなのか、市場セグメントにおけるユニークなものであるかどうかの情報を指します。

(3) 自社の既存製品と組み合わせシナジー効果は、近年よく意識される大事なポイントです。既存市場開拓し、特定の作物を完全にコントロール新たな新提案(新規原体)、あるいは異なる配合の製剤を使って異なる作物を目標とする市場を開拓する方法が有効であります。

(4) 自社商品または競合品の特許状況は抜けやすいポイントですが。自社商品の特許切れは模倣品問題につながるのと、競合品の特許状況は多国籍企業の戦略の調整や変更にとって大事なポイントになります。

(5) 市場における競合製品の特性や競争力、市場性、市場効果、売上情報を手に入れ比較・評価することが有効です。

(6) 中国および世界の農薬市場分析、市場レポートの作成や入手が有効です。

2、事前リスクアセスメントおよびコンプライアンス分析の登録

いきなり高難易度農薬登録を実施することが無謀であり申請成功率を引き下げる可能性があります。したがって、わが社としてはぜひ事前に新規農薬のデータギャップ分析(リスクアセスメント評価)を行うことを強くお勧めします。REACH24Hは通常新規農薬登録の案件をスタートする前に、現行の『農薬登録情報要件』に従い、製品登録の種類、情報要件、試験サイクル、登録プロセス、評価サイクル、登録にかかる総コストの事前評価を行い、登録適合性分析報告書を作成いたします。製品に対するリスクアセスメント事前評価は、国内外の類似の化学物質や化合物に関する情報に基づく毒性学、環境行動学、環境毒性学の評価と分析を専門ソフトにて健康毒性、環境毒性や影響度合いの評価を行います。また、製品の環境中で発生可能な代謝物及びそのリスクも推測にて評価を行います。農薬原体の一般毒性評価のために必要な毒性試験、環境挙動試験、環境毒性試験を実施することもあります。毎回発生するわけではないが、商品特性に合わせて、類似製品との比較分析、主要代謝物の生成に関する合理的推論や合成経路による主要不純物の推論を行ったうえで、(Q)SAR、Read-across、データブリッジングなどの専門的な手法による不純物や代謝物の遺伝毒性評価も行います。以上のような登録前のリスクアセスメントを通じて、製品登録のリスクをきちんと把握し製品登録の成功率の向上につながります。

3、登録プロセスの再確認及び計画・申請するかどうかの最終決断

申請企業(クライアント様)は、売上高に基づいて年間総開発・登録コストを定義し、R&D開発プロセス並びに農薬登録プロジェクトを見直し最適化していくステップになります。登録プロジェクトの見直す再確認作業は、同じ商品の異なる登録方法、または複数商品の登録プロジェクトを比較することをできるようにし、新規農薬登録の成功率が高まり、利益回収が早まり、自社製品の市場競争力が高まることにつながります。研究開発費と登録コストをより合理的に使うことができるようになります。

通常、登録プロジェクトはマーケティング部署あるいは営業部署が社内発案・提案し、製品登録責任者はステップ①「製品(登録対象農薬)の選択と市場分析」とステップ②「事前リスクアセスメントおよびコンプライアンス分析の登録」の分析結果・調査レポートなどを取りまとめ、社内の各部門のマネージャーによって形成される上層経営陣の承認を通す必要が伴っています。製品登録責任者は、提案された登録製品ごとにコンプライアンス適合分析レポートを提示し、登録成功率、登録試算コスト、登録サイクルを報告します。登録試算コスト実際の登録コストの差に対し各企業の許容範囲が異なるものの、REACH24Hは独自に登録コスト試算に対する厳しい基準を設けており、一般的に試算コストと実際の登録コストとの乖離は10~15%を超えてはいけないことだとルール化していて、クライアント様に対しては実施前の試算根拠・コストが発生する項目などの詳細に説明きちんと説明します。通常こちら登録プロセスの再確認を得てから、各社は財務的な試算を行われ、各年度農薬開発登録総予算に合わせた該当新規農薬登録による財務上のインパクトを算出し提案しなければならない。最後は登録プロジェクトに決定権の持つ審議チームにより、会社の状況に応じてプロジェクトの最終評価と実施決定に移します。この審議において、明確なプロジェクトの評価基準を設定すべきだと思います。通常としては登録プロジェクトごとの登録対象製品(原体&製剤)、登録国、登録作物ごとに分類して評価し、登録プロジェクト案とコストの比較及び登録後の経済効果を軸に評価・審査基準を細かく設定されます。登録プロジェクトと費用に関する最終審議と社内決議は、一般的に企業の上級管理部が行うことになり、各社の審議における審査時間・決裁会議などの開催スケジュールもバラバラです。したがって、登録プロジェクトの審査時期と登録を実施し結果を取りたいプロジェクトのスケジュールと照らし合わせし、社内審議にかかりそうな時間も試算に入れる必要があると認識しております。農薬登録するかどうかの最終判断においては「経済面つまり該当農薬の市場性」・「作業面つまり該当農薬が登録できそうかどうか」2つ側面が一番大事だと考えられるので、以下にてまとめます。

(1)農薬登録プロジェクトの市場計画

登録プロジェクトの市場計画では、主に登録対象製品の特性や各国の作物栽培、農薬使用状況、競合製品などを踏まえた市場分析を行います。各国の実情に基づき、自社の販売・登録戦略を策定し、登録国での市場配置やマーケティング、ブランドプロモーションを計画します。市場分析に基づき、販売または海外販売を完成し、各登録品目の予想販売量と登録後5-10年の販売量を予測し、インプットとアウトプットの比率を評価し、登録品目の経済的なインパクト度合いを評価します。

(2)農薬登録プロジェクトの登録計画

登録責任者(または上級登録コンサルタント)は、中国(およびその他の国)の登録情報要求と評価要求に従って、会社の登録プロジェクトを十分に計画し、登録を計画し、登録適合性分析報告書を作成し、各登録プロジェクトの登録成功率の予測を行います。登録計画を立て成功率を工場させるためには、以下の点を考慮する必要があります:

 データギャップ分析報告書。

 登録情報の取りまとめと確認。中国登録要件と法規制規定に基づいて、登録情報の準備のタイミングと優先順位(順序)を検討することが重要であり、会社の予算に応じて、複数国(特にコアである中核国)での登録期間を短縮するために、中国登録を他の国と同時に行うことができないかを検討しましょう。

 試験所と試験規格・試験方法の妥当性の確認。試験を実施する試験所を選ぶ際には、国外で登録OECD-GLP■を持っているかどうか、試験の転用・流用が可能かどうかを国跨いで検討すべく思います。

登録スケジュールとプロジェクト進行管理表の作成と管理。

(Ⅱ)登録プロジェクト進捗管理とモニターリング(追跡)

新規農薬登録プロジェクトが承認され開始されると、サンプル調製、試験室選定及び試験監督を実施し、試験を実施する際には、試験室の中国GLP資格の監査及び評価を行うと同時に、中国におけるGLP試験の手配を行ってから、試験ガイドラインの理解をしたうえで試験計画書及び試験報告書のレビューを行います。登録試験の実施と同時に、プロジェクトの進捗管理とモニタリングを直ちに行い、こまめに管理されることをお勧めします。登録担当者は、各登録プロジェクトに関する詳細な計画を立案し、プロジェクトの進捗状況を毎月まとめ、経費、試験の進捗状況や問題点、中国の農薬登録政策の変更について月間報告することが有効だと考えております。(REACH24H代行による新規農薬登録が、月間進捗会議を行い遂行しております。)もしプロジェクトが中国の登録登録政策の大きな変化や試験結果の悪影響などに遭遇した場合、プロジェクトチームはできるだけ早くプロジェクト継続するかどうかや波及効果を再評価し、もし登録成功率に大きな変化を及ぼす可能性があれば、できるだけ早くプロジェクトの実施を中止または延期か、もし登録料を引き上げたうえでの継続などを議論されることをお願いしたく思います。前項目でお話をしたように、契約時にコストとスケジュールの試算を行います。通常会社の定めた基準や試算金額を大きく上回ったりする、または登録サイクルが大きく乖離したりすることがあれば、プロジェクトを継続するより再度実施することに関する市場性や事業性の試算と評価を行われることが大事だと思いますので、多くのケースは早期にプロジェクトの実施を中止または延期し、登録の必要性と戦略を再度練ることお勧めします。

(Ⅲ)登録資料の準備、作成と登録作業の実行

登録データの準備と作成は、登録申請前の最後の作業であり大事なステップでもあります。中国の登録データを作成する際には、登録データの完全性や正確性、科学性、合理性などに十分注意を払う必要があります。製品登録データに関する説明の文言などに関しては、審査員・専門家の評価基準の全側面を体系的に理解し、起こりうる問題を予見しながら、製品全体の特徴から説明と解釈を行う必要があります。

登録作業の実行にあたっては、資料作成→資料提出→規制当局の審査会議のスケジュール→審査意見という一連のサークルに関する計画と登録サイクルの見積もり・評価を行う必要があります。中国新規農薬登録の審査会議にあたる全国農薬登録審査委員会のメンバーによる「新規農薬登録案件審議会」は、年に2回開催され、毎年の半ばと年末あたりに会議時間は毎年一定ではありません。事前に審議会の開催スケジュール、農薬申請すればいつぐらいの審議会で審議されるか事前の確認とスケジュール逆算をお願いします。一部農薬の登録タイプは全国農薬登録審査委員会執行委員会会議(月次に開催)による審議されるケースもありますのでご留意ください。取り纏めすると、中国新規農薬登録サイクルの評価と登録データの提出においては、年2回の国家農薬登録審査委員会の会議開催日にちをよく把握され、資料作成・修正・提出までの作業時間の逆算・契約・人員案配に関する注意を払う必要があります。

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