日本食品接触材におけるポジティブリスト:適用範囲と最新リストの取得方法
2025-04-11

日本食品接触材におけるポジティブリスト:適用範囲と最新リストの取得方法

先週、日本の食品接触材の規制体系について共有しました。2018年法律第46号による《食品衛生法改正案》は2020年6月1日に正式に施行され、これにより「ポジティブリスト」方式が食品器具、容器包装の規制体系に導入されました。

本記事では、現行ポジティブリストの規制方針と主要内容について詳しく解説します。

ポジティブリスト改訂の経緯

2020年4月28日、厚生労働省は196号告示と初版の(食品接触用合成樹脂およびその添加剤の)ポジティブリストを同時に発表し、2020年6月1日から施行しました。

移行期間の設定
ポジティブリストの施行には5年間の移行期間(2020年6月1日~2025年5月31日)が設けられています。この期間中、2020年6月1日以前に日本市場で製造、販売、または輸入された製品は引き続き流通および販売が認められます。

5年間の移行期間終了後(2025年5月31日以降)は、関連メーカーが製造・販売する合成樹脂はポジティブリストの要件を満たす必要があります。

リストの継続的な更新
移行期間中、厚生労働省はポジティブリストに含まれる物質を継続的に審査・更新し、利害関係者に対し、使用予定の物質を肯定リストに追加するための意見提出を奨励しています。

2020年6月1日に初版リストが発表された後、日本政府は業界の意見を集めながら複数の草案を発表しました。当初は基礎樹脂をポリマー形式で規制する物質リストでしたが、意見収集を経て2022年4月26日に意見募集リストが最終的にモノマー形式で管理されるよう改訂されました。

今年3月6日、厚生労働省は食品接触用器具、容器および包装の物質リストの最新草案を発表しました。

ポジティブリストの適用範囲

適用対象

  • プラスチックおよびコーティングに使用される基礎ポリマー(ただし、非熱可塑性ゴムを除く)

  • 最終製品に残留し、合成樹脂の物理的または化学的性質を変化させる物質(添加剤)

適用対象外

  • 最終製品に残留しないと予想される物質(例:重合反応をサポートする触媒、助剤など)

  • 基礎ポリマーの原料モノマーに含まれる不純物および添加剤

ポジティブリストの形式

現在、日本の最新バージョンのポジティブリストは2023年3月6日に発表された草案であり、以下の内容はその草案に基づいています。

基礎樹脂リスト
表1は基礎樹脂ポジティブリストであり、許可されるモノマーおよび反応物、ならびにその使用制限が列挙されています。基礎樹脂はモノマーの種類およびポリマーの性質に基づき、5つのグループ(1~5グループ)に分類されています。


各グループの基礎樹脂はさらに細分化されており、1~4グループのポリマーではそれぞれのカテゴリ(例:1a~1i、2a~2cなど)において、合成基礎樹脂に必要なモノマー、選択可能な物質(例:モノマー、開始物質、架橋剤など)、および選択可能な化学処理物質が区分されています。

第5グループのポリマーは特に特殊で、主に転化型成膜の塗料材料が含まれています。このグループ内のポリマーを選択し、必要に応じて化学物質と反応させて食品接触材として使用できます。

添加剤リスト
表2は表1で認可された基礎樹脂に使用可能な添加剤を示しています。最終製品に残留し、基礎樹脂に影響を与えると予想される物質が対象となります。このリストには添加剤の番号、名称、CAS番号、5つのグループ樹脂における使用量制限および特定要件が記載されています。

以上が日本で最新発表された食品接触材ポジティブリストの内容整理です。表1および表2のリストの完全な内容については、「FCMコンプライアンス24時間」をフォローし、「日本ポジティブリスト」とメッセージを送信することで入手可能です。

日本食品接触材コンプライアンスの解説は一旦ここまでとなります。次回は欧州連合(EU)の包装EPRコンプライアンス要件について解説いたしますので、ぜひご期待ください!

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
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