最近、中国生態環境部(MEE)は、中国国家気候変動戦略研究・国際協力センター(NCSC)によって編集された『国家炭素市場に係るQ&A』(以下、「Q&A」という)を公開しました。これは中国の国家炭素市場でのオンライン取引が開始されて以来、よくある質問とその答えをまとめた初の技術文書として出版されたものです。
今回のQ&Aは、以下5つの章が含まれ、合計18の方面602の質問からできています。
第一章 炭素排出量の算定・報告・検証
第二章 全国炭素排出権取引市場の対象範囲及び割当管理
第三章 炭素排出量データ報告システム
第四章 全国炭素排出権登録登記システム
第五章 全国炭素排出権取引及び取引システム
本文では、当該Q&Aの一部を日本語に仮訳しました。(連番は原文と一致する)
Q1:全国炭素排出権取引市場の重点排出機構名録は公布されますか?
A1:はい。『炭素排出権取引管理弁法(試行)』(MEE 19号令)第9条に基づき、省級生態環境主管部門はMEEの関連規定を踏まえて、管轄エリア内の重点排出機構に関する名録をMEEに提出し、一般に公開する必要があります。
Q2:温室効果ガス排出量データを報告すべき産業は何ですか?
A2:MEEによって最近公布された「2022年企業温室効果ガス排出報告管理の重要事項に関する通知」(以下、「通知」という)をご参照ください。例えば、本通知に基づき、(1)発電・石油化学・化学工業・建材・鋼鉄・非鉄金属・製紙・民間航空業界の企業およびその他の経済団体、(2)自家用発電所(業界を問わず)の場合は、2020年または2021年の二酸化炭素排出量が26,000トン以上(総合エネルギー消費量が年間1万トン標準炭以上)に達すれば、2021年温室効果ガス排出に関する年次報告書を提出するとともに、省級生態環境主管部門による検証を受けなければなりません。
Q3:産業分類コードと実際の生産活動と一致していない場合は、企業の所属業種を判定するため、実際の生産活動か産業分類コードのどちらかに準拠すべきですか?
A3:実際の製品が「通知」の対象範囲内である場合は、実際の生産活動を企業の所属業種の判定基準として、対象業界関連の算定・報告ガイドライン及び「通知」を踏まえて、温室効果ガス排出量の報告・検証を行う必要があります。
Q4:自社用発電所の場合には、発電所か所属会社のどちらかが報告主体となりますか?
A4:自社用発電所が法律上「法人」と見なされる場合には、発電所あるいは所属企業の最下層に属する法人がが報告主体となります。
Q5:企業は関連システムかスプレッドシートのどちらかを通じて、データ情報を提出する必要がありますか?
A5:関係企業は「通知」に従い、環境情報プラットフォームを通じて関連データを提出する必要があります。