米国はGRAS自己認定制度を廃止?米国保健福祉省がFDAに規則改正を指示
2025-04-17

2025年3月10日、米国保健福祉省(HHS)および米国食品医薬品局(FDA)は、食品安全管理の一層の強化と食品成分の透明化を推進することを発表し、すべての米国消費者が食品成分の由来と安全性を把握できるようにすることを目指しています。

この取り組みの重要な一環として、HHSのロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)長官は、FDAの代理長官に対し、「一般に安全と認められる物質(GRAS)」の最終規則および関連ガイダンスの改正を検討し、企業によるGRAS自己認定を廃止するための措置を講じるよう指示しました。この措置は、GRAS物質に対するFDAの監督を強化し、食品成分の透明性を高めることを目的としています。

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GRASの現行制度と改革の方向性

GRAS物質とは「一般に安全と認められる物質(Generally Recognized as Safe)」を指し、FDAの専門家による認可、または長年の使用実績を通じて人の健康を害しないことが示されている物質であり、食品添加物や食品接触材料を含みます。

GRAS物質とは「一般に安全と認められる物質(Generally Recognized as Safe)」を指し、FDAの専門家による認可、または長年の使用実績を通じて人の健康を害しないことが示されている物質であり、食品添加物や食品接触材料を含みます。

現在では、FDAは企業に対し「GRAS」申請プログラム(GRAS Notification Program)を通じて申請を行うことをすすめていますが、企業は食品成分の安全性を独自に発表し、ある物質がGRAS基準を満たすと自己認定することで、FDAへの報告義務や一般公開の義務はありません。

GRAS自己認定制度が廃止されたら、企業は新たな成分を食品サプライチェーンに導入する前に、FDAに申請書を公開で提出し、安全性データを提供する必要があり、食品添加物申請制度(FAP)、食品接触物質届出制度(FCN)またはGRAS Noticeを通じて、食品およびその関連製品の安全性が専門家委員会によって十分に評価されることを確保します。

HHS長官は、長年にわたり一部の原材料メーカーやサプライヤーがこのような抜け穴を利用していたと指摘し、これを無効化したら、一般に透明性の向上が期待されると述べました。

REACH24Hからのアドバイス

GRAS制度の改革は、食品および関連製品のコンプライアンスにおける抜け穴を埋めるものです。REACH24Hは、関連企業にFDAの規則改正の動向に注目し、製品のコンプライアンスを早期に評価し、最新の規制要件への適合を確保することで、コンプライアンスリスクを回避するよう強くおすすめいたします。






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