GRAS申請資料における物質情報の部分
物質情報には主に、物質の勘定、製造方法、規格書、物理的/技術的効果などが含まれており、GRAS申請資料の中でも非常に重要な内容です。
GRASの本質は物質の安全性を証明することにあり、その前提として、物質情報が十分かつ正確である必要があります。FDAの異議のうち半数以上がこの部分に起因しているため、企業は資料を準備する際に、物質に関するすべての規格指標および関連分析について明確に記述する必要があります。
物質の勘定:物質の勘定はGRAS認証の基盤であり、申請者が提供する勘定方法は、当該物質を正確に識別できる必要があります。特に植物由来物質のGRAS申請を行う場合、その勘定は一層重要となります。
製造方法:加工工程の各段階およびパラメータを詳細に記述し、米国のcGMP要件に適合しているかを明確に示す必要があります。特に、加工過程で使用されるすべての原料について評価し、記載が漏れないようにしなければなりません。また、使用される原料が食品グレードであるか、どのような品質基準が適用されているかを明記する必要があります。製造過程で遺伝子組換え(GMO)技術を使用している場合、その詳細も記載しなければなりません。さらに、申請物質が化学合成品である場合は、溶剤の使用有無、重金属の含有可能性についても明確にする必要があります。
規格書:規格書における各指標の設定は、物質の特性、製造工芸、原材料等を考慮する必要があります。溶剤、重金属、微生物、真菌毒素などの指標も含まれます。すでに国際的または他国で当該物質の基準がある場合は、できるだけそれを参考にします。申請資料には、少なくとも3つの非連続製造バッチの物質に対する全項目検査の結論が必要です。
GRAS申請資料における食事曝露レベルの部分
食事曝露評価とは、申請物質が既存の食品消費、その他の関連摂取源、予定用途を通じてすべての摂取ルートに関する総合的な定量評価です。曝露評価はリスク評価の一部として、生物学的、化学的、物理的病原因子に対する曝露量の定性的かつ定量的な評価を行います。食事曝露量および安全性評価を総合して物質の安全性を確認します。
GRAS申請資料における摂取歴の部分
摂取歴とは、1958年以前に多数の消費者が当該物質を含む食品を摂取していたということを指します。摂取歴は必ずしも米国内である必要はなく、米国外の国・地域のデータでも構いません。1958年以前のデータがない場合でも、過去数十年の摂取歴(ある場合)を安全性の補足証拠として用いることができます。
GRAS申請資料における安全性論証の部分
安全性論証の要点は、既存のデータをどのように使用して物質の安全性を示すかという点にあります。安全性研究データ(文献データを含む)に加え、一定の摂取歴(必ずしも1958年以前のものではない)を用いて、安全性の結論を導き出すことが可能です。
安全性研究内容:最も重要なのは毒性学研究データであり、急性毒性、慢性(90日間)毒性、遺伝毒性などが含まれます。さらに、臨床研究データやADME薬物動態研究も安全性論証の重要な要素です。
公開文献:GRASでは、物質の安全性が専門家の審査を経て認められている必要があります。そのため、安全性論証の要点は、公開資料を収集・整理し、論述することにあります。これには、申請者および非申請者が発表した文献、国際機関の評価結論などの公開データ資料が含まれます。申請者はこの資料を包括的に収集し、論述する必要があります。論点の根拠だけでなく、反対する論点や否定的な根拠も含めるべきです。
アレルゲン:物質または使用された原材料にタンパク質やその他潜在的なアレルゲンが含まれている場合、アレルギー性試験を実施し、物質にアレルギー性があるか否かを論述する必要があります。
新規物質(化学合成品など)について、公開可能なデータがない場合
申請者はまず毒性試験(急性経口毒性、慢性(90日間)毒性、遺伝毒性など)を実施し、審査した公開文献を発表し、公開文献が揃ってからGRAS認証を申請する必要があります。
FDA GRAS申請において申請者が注意すべき事項:営業秘密の取り扱い
FDA GRAS認証を申請する時に、申請資料の公開を意味します。自社試験データ、製造工程パラメータなど、申請者の営業秘密に関わる詳細情報も含まれる可能性があります。申請者が営業秘密に関する情報を資料から除外していたとしても、FDAの審査過程で補足資料を求められる場合が多いです。FDAの質問に対して、申請者は情報を公開するか、またはFDA GRAS申請を放棄するかを選択する必要があります。そのため、申請前にあらかじめ対応方針を検討し、十分に準備をしておきます。
REACH24Hは、経験豊富な食品専門家チームを持っておりGRAS申請プロセスおよび要求事項に対する深い理解と豊富な実績もあり、資料収集からリスク評価、申請書類の作成・提出に至るまで、ワンストップサービスを提供いたします。ご要望がございましたら、ぜひ当社にお問い合わせください。
米国GRAS認証の実現可能性分析
GRAS自己声明(Self-affirmed GRAS)
FDA GRAS認証(FDA notified GRAS)